夏が好きだ。
冬に思う、夏が好きだ。
夏に思う、冬も好きだ。
無いものねだりとはまた違う。
まぶたの奥で、半年前の光を思い出す。
鼻の奥に、あるはずもない残り香を探す。
手を伸ばせばすぐそこにあるものを、
大切にしたい。
けれど同時に、
少し先の未来や過去に、
わたしたちはいつも思いを馳せている。
ちょっと切ないぐらいがいい。
じりじりする熱の中、
ホースから吹き出す
キラキラした水と戯れたいと夢見る、
とても冷えた東京の夜。
半年後には、
ツンとくる鼻先の冷たさを
懐かしく思うんだろう。
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